読書熊録

本に出会う歓びを、誰かと共有したい書評ブログ

アメトーーク!「本屋で読書芸人」で紹介された本の感想と、次にオススメしたい本

11月16日(木)、アメトーーク!で「本屋で読書芸人」が放送されました。東野幸治さん、光浦靖子さん、又吉直樹さん、カズレーザーさんが紹介された「好きな本」は、どれも本当に素敵そう。たまたま東野さん、又吉さんが読まれた本の読書感想をこのブロ…

左右→上下ー読書感想「ポピュリズムとは何か」(水島治郎)

右派・左派に分かれる従来型の代表制民主主義を、ポピュリズムは「下vs上」に変える。オランダ政治史や比較政治学が専門の水島治郎さんの「ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か」は、世界や日本の「今」を見るための大切な視点を教えてくれた…

人生をプレーするー読書感想「ピッチレベル」(岩政大樹)

これはサッカーを通じて人生を学ぶ本なんだ。元鹿島アントラーズのディフェンダー、岩政大樹さんの「PITCH LEVEL ピッチレベル 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法」を読んで、思わず膝を打った。プロとしての思考を余すことなく言語化してくれてい…

斥力を見よー読書感想「彼女たちの売春」(荻上チキ)

売春の背景には、「引力」だけではなく、「斥力」がある。荻上チキさんの「彼女たちの売春(ワリキリ)」は、冷静なトーンで売春を「社会問題」として描き出す。出会い喫茶や出会い系サイトで、個人として売春を行う女性らへの、親身なインタビューを縦糸に…

大泉洋さんが動くー読書感想「騙し絵の牙」(塩田武士)

活字の上を、大泉洋さんが動いてる!!グリコ・森永事件を題材にした「罪の声」でブレークした塩田武士さんの最新作「騙し絵の牙」は、役者・大泉洋さんを「あてがき」(役をあらかじめ決めて作品を書くこと)した小説だ。塩田さんはきっと大泉さんが大好き…

命を懸けてから、守ってにー読書感想「過労自殺」(川人博)

「命を懸けて」仕事をするのではなく、「命を守って」働けるように。過労死、過労自殺の問題に長年取り組んでこられた弁護士川人博さんの「過労自殺」には、そんな切実な思いが込められている。本書の第二版が出版されたのは、2014年7月。その後も、電…

宝物になる日ー読書感想「通りすがりのあなた」(はあちゅう)

友達ではないけど恋人ではない。他人じゃないけど親密でもない。はあちゅうさんの初小説集「通りすがりのあなた」は、そんな「名前のない関係」の豊かさを、ふわっと心に注いでくれる。でも「固定的な関係」を否定する本じゃない。自分にすら関係性をうまく…

草原へ連れていってー読書感想「カウボーイ・サマー」(前田将多)

心を遥か遠く、草原へ連れていってくれる本がある。「カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で」だ。コピーライターの前田将多さんが勤務先の電通を辞めて、憧れのカウボーイになろうと、牧場で働くノンフィクション。カウボーイの実態を伝えるのでは…

論理的狂気ー読書感想「革命のファンファーレ」(西野亮廣)

絵本の全文をネット公開、テレビ収録中に途中退席、著作権放棄ー。数々の「クレイジーと言われる」所業を重ねながらも、著作のメガヒットを連発している芸人・西野亮廣さん。その頭の中を自ら解説してくれた一冊が「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」…

居場所はきっとあるー読書感想「ふたご」(藤崎彩織)

10代の頃、誰しも悩んだと思う。なぜ生きているのか。自分は必要な人間なのか。大切な人を、大切にできるだろうか。そんな問いに繊細な筆致で向きあう作品が、藤崎彩織さんの初小説「ふたご」だ。藤崎さんは、バンド「SEKAI NO OWARI」のピアニストであり…

編集会議17年秋冬号「シン・編集力」が本好きに超オススメだった

雑誌「編集会議」の2017年秋冬号「特集・シン編集力」(10月16日発行)が、読書ファン・本好き必見の超面白い内容だったので、紹介したいと思います。前半に「2017年ヒット本を生んだ『編集力』」などと題して、堀江貴文さん「多動力」や、西野…

レッツもやもやー読書感想「誰も教えてくれない大人の性の作法」(坂爪真吾・藤見里紗)

子どもの頃は「タブー」だったのに、大人になると「必須科目」。それが「性」である。だから大人こそ、性の問題に迷う。その難問に向き合う糸口を、本書「誰も教えてくれない大人の性の作法(メソッド)」は示してくれる。未婚化、晩婚化、セックスレス、不…