読書熊録

本に出会う歓びを、誰かと共有したい書評ブログ

痛みはその人のものだ―「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」

傷つくことと、傷つけられることは、どう違うのだろう。それは同じ傷であっても、同じ痛みではない。本書「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」は、誰かから暴力を受けるということが一体何を意味するのか、「暴力を受けた側」の言葉で、それも当人たちの…

音楽海賊一代記―「誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち」

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち 作者: スティーヴン・ウィット,関美和 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2016/09/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 泥棒、強盗、窃盗犯、盗人。盗む人の呼称は…

化け物の姿をした人か、人の姿をした化け物か―「よるのばけもの」

夜になると、僕は化け物になる。 ネタバレではない。書き出しである。『君の膵臓をたべたい』で泣かされた住野よるさんの作品を水平展開。最新作「よるのばけもの」を手に取った。週刊文春の書評で彩瀬まるさんが取り上げていたのも、興味を持ったきっかけ。

被害者が責められる犯罪―「ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度」

ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-12) 作者: ジョン・クラカワー,菅野楽章 出版社/メーカー: 亜紀書房 発売日: 2016/09/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 大切な人の命を奪わ…

アートミステリーという二重らせん―「神の値段」

神の値段 (宝島社文庫) 作者: 一色さゆり 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2017/01/11 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 旅先、出張先で手持ちの本を読み終わってしまうことは、本読みあるあるだと思う。ただ宿泊地や中継駅に必ずしも本屋がない…

羅針盤をインストールせよ―「AI時代の人生戦略 『STEAM』が最強の武器である」

AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である (SB新書) 作者: 成毛眞 出版社/メーカー: SBクリエイティブ 発売日: 2017/01/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る STEM、あるいはSTEAM、OK Goのすごさ、クオンツ、セ…

資本主義の「次」―「限界費用ゼロ社会」

限界費用ゼロ社会―<モノのインターネット>と共有型経済の台頭 作者: ジェレミー・リフキン,柴田裕之 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2015/10/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る 資本主義に未来はあるのか。取って代わる次の経済シス…

この言葉以外に、ない―「君の膵臓をたべたい」

君の膵臓をたべたい 作者: 住野よる 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2015/06/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (34件) を見る 買った。読んだ。読む手が止まらなかった。読み終えて涙が止まらなかった。 圧倒的なインパクトがあるタイトルで、書…

そんな自分も悪くないかも―「非モテの品格 男にとって『弱さ』とは何か」

(2017/10/09更新) 非モテの品格 男にとって「弱さ」とは何か (集英社新書) 作者: 杉田俊介 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/12/16 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 表紙の帯に漫画が書いてあると、それだけで「ライトな内容な…

面倒くさがった愛の行方―「四月になれば彼女は」

四月になれば彼女は 作者: 川村元気 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/11/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る NHKの朝の情報番組「あさイチ」に著者の川村元気さんが出演され、本書が取り上げられているのを見て、無性に引き…

2016年ベストバイ ノンフィクション編

2016年「買って良かった」「読んで良かった」を紹介する、ベスト・バイ。続いてノンフィクション編。 ◎「ブラッドランド ヒトラーとスターリン大虐殺の真実」 ブラッドランド 上: ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 (単行本) 作者: ティモシースナイダ…

2016年ベスト・バイ 小説編

今年から始めたブログ。年末にはやってみたかった、ベスト・バイ。要するに「読んで良かった本」をピックアップしていきます。まずは小説編 ◎「さよなら、シリアルキラー」 さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫) 作者: バリー・ライガ,満園真木 出版社/…