読書熊録

本に出会う歓びを、誰かと共有したい書評ブログ

小説-サイエンスフィクション

ヘイトの先ー読書感想「R帝国」(中村文則)

「朝、目が覚めると戦争が始まっていた」。中村文則さんの最新作「R帝国」の書き出しは、たった一言で物語に引き込む。そこからはもう、目が離せない。このディストピア小説の恐ろしさは、いま、社会の憎悪(ヘイト)を増幅した先に、こんな絶望的な世界が起…

人類起源探求SFー読書感想「Ank:」(佐藤究)

近未来を描きつつ、「人類はどこから来たのか」という「未知の過去」に果敢に挑んだSF小説が、佐藤究さんの「Ank: a mirroring ape」だった。突如として人間が狂い、隣人と殺し合いを始めた《京都暴動(キョート・ライオット)》。その原因はウイルスでも…

アナザー星を継ぐものー「巨神計画」

アメリカの少女が森の地中から発見したのは、合金製の巨大な「手」だったー。タイトル「巨神計画」で、そして上下巻の表紙にまたがる緑色の怪しい「巨人」の姿で、そそられないわけにはいかない。ジャケ買いして正解です。とんでもない謎解きが、すさまじい…

未知への向き合い方―「星を継ぐもの」

地球から離れた月面で、いるはずのない5万年前の「人間」の遺体が見つかった。どこから来たのか、我々地球人と同じなのか?―。本書「星を継ぐもの」は壮大な謎に遭遇する物語であり、その未知への向き合い方を教えてくれる作品だ。